今日は骨盤の役割についてです。
骨盤の役割
体の上半身と下半身の中心に位置する骨盤は下部で身体を支え、上部で脊柱を通じて脳を支えています。それだけではなく、臓器の受け皿としての役割、2足歩行を支える役割、座る時の身体全体の台座としての役割などがあります。
特に女性にとっては重要な役割、骨盤の形を変えて妊娠・出産を可能にします。
まさに身体の要となる存在です。簡単に言ってしまうと、骨盤が歪んだ場合、上記の役割が果たしにくくなるということです。
1.骨盤の歪みが姿勢(見た目)に与える影響
骨盤の歪みには沢山の原因がありますが、【筋力の低下】が大きく作用しています。
基本的にヒップの形は筋肉のつき方によって決まってきます。ですからヒップの筋肉が少ない人は当然垂れ尻になってしまいます。そうしますと、衰えて下がった筋肉に骨盤が引っ張られて歪んでいく状況が生まれます。
そして身体の中心である部分が歪めば上肢にも下肢にも影響が出てしまいます。骨盤が歪むと、骨盤の動きが制限されやすくなり、骨盤周辺の筋肉が細く弱くなり、萎縮します。硬くなりながら筋力が低下していくので、下腹部に力が入りにくくなるため下半身が安定しにくくなります。(O脚、X脚も骨盤の歪みと筋力低下が影響しているといわれています。)その為、下半身の運動をしても筋肉量を増やそうとしても下半身自体が活性化されていないので引き締まらない・より太くなるという状態になります。
つまり、筋肉の衰えが骨盤の歪みに作用し、それによって歪んだ骨盤が筋肉の衰えを助長してしまうという悪循環になってしまうわけです。
また、下半身が安定していないということは勿論支えられている上半身も不安定になります。猫背になりやすく、背中の筋肉、胸の筋肉が動かしにくくなり、バストも垂れやすくなります。
2.骨盤の歪みが内臓に与える影響
骨盤には内臓の受け皿としての役割があります。 女性は男性に比べて骨盤が広いので、お尻の筋肉が弱くなりやすく機能が低下しやすいといわれています。
骨盤の前面にあるインナーマッスル(骨盤底筋郡)は骨盤を支える役割が強く内臓の位置を保つ役割があるため、骨盤の歪みなどで、筋力が弱くなると内臓全体が下がってきやすくなります。
内臓が下がった状態を内臓下垂といいます。胃下垂も内臓下垂の一部です。内臓下垂になるとどうなるのか。
内蔵は本来の位置にあると活発に働くと言われていますが、内臓下垂になると内蔵の働きが悪くなりやすいのです。
代表的な流れとして、まず胃が下がり始めます。胃が冷たくなり、腸も冷たくなり、そして内臓全体も冷たくなってしまいます。
特に下腹部に位置する膀胱、子宮、卵巣などは、その他の臓器に押しつぶされるように冷たくなります。すると身体から熱を発生しにくくなる為、体温も下がりやすくなります。また、内臓に近いウエスト周りは脂肪の住みどころになり、脂肪もつきやすくなります。
さらに内臓下垂により、自律神経の交感神経が過剰に働きやすくなるため、内蔵機能が良くなる副交感神経が働きにくくなり、消化機能にも影響が出てきます。消化機能が低下するということは、代謝が悪くなり、太りやすくなるということです。
先ほど出てきた骨盤底筋郡が弱くなることによって、内臓に与える影響以外にも、尿漏れや、性器脱、膀胱痛などの症状も出てきます。