今日は内臓脂肪についてのお話しです。
最近は健康診断でもメタボのチェックがありますので、内臓脂肪を気にしている方も多いのではないでしょうか?
内臓脂肪とは
脂肪は、体の蓄積部分によって「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2つに分けられます。おなか(上半身)を中心に、内臓のまわりについた脂肪が「内臓脂肪」です。
「糖尿病」や「高血圧」などの生活習慣病を引き起こすリスクとなるのも、「内臓脂肪」です。
内臓脂肪と皮下脂肪の違い
内臓脂肪と皮下脂肪は、蓄積する場所が異なります。内臓のまわりに付く内臓脂肪に対し、皮下脂肪は、腰まわり、おしり、太ももなど皮膚のすぐ下につく脂肪のことです。
内臓脂肪はどこにつくのか?
おなかの中にある腸間膜(ちょうかんまく)という腸を固定する膜に蓄積します。腸間膜のまわりは、脂肪がつきやすく、落としにくいとも言われます。
内臓脂肪が多いとどうなる?
内臓脂肪が増えすぎると、脂肪細胞からインスリンのはたらきを阻害する物質や、血栓を作る物質(悪玉アディポサイトカイン)が分泌されます。すると、インスリンのはたらきが悪くなるため、脂質異常症や糖尿病の状態となります。
メタボリックシンドロームは、肥満までは至っていなくても、ウエスト周りが男性なら85cm以上、女性なら90cm以上で判定されすでにこの段階で内臓脂肪が体内に蓄積していると考えられます。
また、内臓脂肪が増えると、肥満(メタボリックシンドローム)につながるだけでなく、高血圧、脂肪肝、動脈硬化など、健康状態に悪影響が及びます。
メタボリックシンドロームの判定には、ウエスト周りに加え、高血圧・高血糖・脂質異常の3項目のうち2つに当てはまること、そして、内臓脂肪の蓄積、血圧・血糖値・血清脂質のうち2つ以上が基準値を超えていることが必須条件となります。
生活習慣病を中心とした病気の原因に
肥満に付帯した様々な生活習慣病を引き起こす内臓脂肪。中でも「脂肪肝」には注意が必要です。
脂肪肝は、悪化すると肝臓がんを引き起こす原因にもなります。肝臓に負担がかかるお酒を普段飲まない人でも、生活習慣による内臓脂肪の蓄積は、病気のリスクも高めます。
内臓脂肪はどうやって増える?
呼吸や心臓の拍動、体温調整など、私たちの体では自然にエネルギー消費が行われています。しかし年齢とともに、生きていくためのエネルギー消費である基礎代謝の量が落ちていきます。すると、摂取した栄養を消費しきれず、内臓脂肪は増えやすくなります。
つまり、内臓脂肪は「増やさない」こと、そして「減らすこと」を同時に心がけることが、健康的なエネルギーのバランスを保つために大切です。
内臓脂肪の役割とメリット
内臓脂肪は、健康上は減らすことが大切ですが、最低限必要な脂肪でもあります。内臓脂肪には、内臓の正しい位置を保ち、内臓への衝撃を和らげる役割があります。肋骨ではすべての内臓を守りきれないため、内臓脂肪にもメリットがあるのです。
内臓脂肪が女性につきやすいのは、子宮を守るためとも言われています。また、つきやすいが落としやすいのも内臓脂肪の特徴です。
日本人は内臓脂肪がつきやすい傾向がある?
日本人は、内臓脂肪がつきやすい傾向があると言われています。ただ、日本人だから、というのは一口に言うことはできず、個々人の食生活や生活習慣によって脂肪のつき方には差が出ます。
皮膚の下に蓄積された皮下脂肪型の肥満「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」は、女性に多く見られる傾向があり、内臓脂肪で上半身の肥満を中心とした体型「内臓脂肪型肥満(りんご型)」は、男性に多く見られる傾向があります。特に、食べすぎや運動不足が大きな原因となるのがりんご型。
また、血圧が高い人は、太っている傾向がありますが、痩せていても血圧が高い人がいるといったように、個体差があります。実は、日本人の4割は、後者に該当するとも言われています。
内臓脂肪の落とし方
脂質が含まれる食べ物を避ける
【避けたほうがよい食べ物】
お酒
食欲を高めるホルモンが、胃と脳から分泌されるため、食べ過ぎ・飲みすぎの原因となります。
果実
果物のやさしい甘さにも脂質が含まれるため、食べ過ぎは避けたほうが良いでしょう。また、満腹になりづらいことから、つい食べ過ぎてしまいがちです。
お菓子
特にチョコやクリームなど脂質の高い物はすぐに脂肪に変わる為、避けるようにして下さい。
食事は野菜を中心に脂身の少ないお肉や魚などタンパク質の摂取をお勧めします。
適度な運動も脂肪を落としていく為には必要です。
筋力が脂肪を燃焼する為には必要となります。
ですから筋トレやウォーキング、ランニングなど週に1、2回程度の運動で大丈夫ですので心掛けるようにして下さい。